子連れでのヨーロッパ旅、時差もあるため、到着してから宿に着くまでに子供が寝てしまったり、子ども用のもので荷物がかさばったり。
せっかくの家族でのヨーロッパ旅行、できるだけストレスなく、楽しく過ごせるところに泊まりたいですよね。
ちょっと前まではヨーロッパ旅行の宿泊先といえば、ホテル一択という状態でしたが、ですが、日本でも数年前から民泊も候補の一つに上がるようになりました。
民泊という言葉を聞くと、日本では「一部屋を借りてキッチンやバスルームはオーナーと共有」というイメージが強いようですが、ヨーロッパでは「家族で家具付きのアパートを貸切りで使う」というイメージの方が一般的だと思います。もちろん、現地の人との交流が目的なら一部屋だけ借りることも可能ですが、家族旅行なら「まるまる貸切」の方が落ち着くと思いますので、以下、ファミリーによる「まるまる貸切」のアパートメントということで話を進めていきます。
家族でのヨーロッパ旅行、ホテル、民泊利用のアパートメント、どちらがいいのか?両者のメリットとデメリットを個人的観点からまとめてみました。
ブダペスト、ウィーン、ローマ、マドリード、ポルトで実際に泊まった民泊アパートの感想や民泊のキッチンで手軽に挑戦できる現地の料理など
ホテルと民泊型アパートメントの違い
ホテルの場合
- ホテル・ポータルサイトで条件検索
- 希望物件をポータルサイト、またはホテル公式サイトで予約
今は日本語で海外のホテルも簡単に検索、予約ができます。空きがあれば、手続き後、予約完了のメールが送られてきますので、ヨーロッパのホテルでも日本と同様、簡単な手続きです。
民泊の場合
- サイトへの登録
- 希望物件を選択
- 希望物件を予約
- オーナーから承認(承認なしで予約できる物件を選択することも可)
民泊ポータルサイトも日本語版がありますので、登録や検索は基本的に簡単です。すぐに予約が確定する物件もありますが、オーナーからの承認が必要な物件も。物件に関する質問はオーナーに。ヨーロッパなのでやり取りは基本的に英語、または物件がある国の言語となります。
ホテルの場合
基本的に一部屋にベッド、ソファー、テーブル、デスクがあり、トイレ付きのバスルームという構成が一般的。自宅にいる時よりも狭い感じは否めません。家族の人数によっては部屋が別々になってしまうことも。小さなお子さんがいる場合、遊べるスペースやオムツ替えなど、ある程度の広さがあるお部屋を選ぶとかなり高くなることも。
民泊の場合
広さは民泊アパートメントの大きな利点。リビング・ダイニング、寝室、子供部屋、バスルームという構成の物件が多く、ホテルと比べると広々。リビングでおもちゃで遊んだり、小さなお子さんを別室で寝かしつけしたりできるのは大きなポイント。物件によってはベビーベッド、子供用の椅子、おもちゃなどがあることも。ホテルと比べると料金が安いのもポイント。同じ広さの部屋をホテルで借りたら、すごい料金になりそうです。
ホテルの場合
- フロントでチェックイン
- チェックイン前後にも荷物を預けられる
- 鍵をフロントに預けられる
ホテルの大きな利点はフロントがあること。何かあったら、すぐフロントに尋ねることができるのは安心できますよね。チェックインの前後にスーツケースを預かってもらえるのもポイント。また、鍵をフロントに預けることができるので、観光の時にも少し身軽になれます。
民泊の場合
- 事前に宿泊先の住所がオーナーから送られる
- チェックインの時間を連絡
- 指定の時間に物件の場所にてチェックイン
という流れが一般的。宿泊先の場所が簡単に見つかれば問題はないのですが、これが意外に難しい時も。また、飛行機の遅延で指定の時間に着かない場合はオーナーに連絡をする必要があります。オーナーとのやりとりは基本的に英語か現地の言語、現地に着いてからの連絡手段はWhatsAppを使うことが多いです。空港では無料のWi-Fiを使えますが、物件の場所探しなどで外でのネット環境が必要なことが多いので、日本でWi-Fiを用意して持っていく方が安心だと思います。
アパートメントの鍵は日本人にはちょっと大変かもしれません。ヨーロッパは建物のエントランスの鍵と部屋の鍵、少なくとも2つの鍵を使うことになると思います。物件によっては部屋の鍵が複数あったり、古いタイプの大きな鍵を使っていたり。古いタイプの鍵は回し方にコツがあるので、引き渡しの時にオーナーに聞いておくことをオススメします。
ホテルの場合
朝食はホテル、その他は外で済ますのが一般的だと思います。テイクアウトした料理や現地で買った果物をバスルームで洗って部屋で食べることもできますが、食器等がないので味気ない感じがします。
民泊の場合
外食で済ませてもいいですが、キッチンが付いている物件が多いので、テイクアウトした惣菜などを温めなおしたり、ちゃんとした食器に移し替えることもできます。もちろん、料理をするのも可能。
ホテルの場合
掃除やバスタオルの交換が基本的に毎日行われます。いつも洗い立てのバスタオルが使え、観光後、綺麗に掃除された部屋に戻るのは嬉しいですよね。
民泊の場合
鍵を受け取る時には綺麗に掃除された状態になっていますが、それ以降は基本的に自分達で片付けをすることになります。バスタオルやハンドタオルは付いていますが、滞在中の交換は基本的にありません。ゴミ捨ても自分達で行うところがほとんど。ゴミ捨てのルールは地域によって違うのでオーナーさんからちゃんと聞いておく必要があります。
ホテルの場合
自分達の荷物をまとめたら、チェックアウトの時間内の好きな時にチェックアウト可能。チェックアウト後もスーツケースを預かってもらうこともできるので、帰りの便が遅い時間の場合は最終日も観光を楽しめます。
民泊の場合
基本的に使ったものは元の場所へ戻し、ゴミを捨て、指定の時間までに部屋を空けます。クリーニング代が料金に含まれているので掃除をする必要はありませんが、あまり酷い状態でチェックアウトをするとオーナーから低い評価をもらうことも。
ブダペスト、ウィーン、ローマ、ボローニャ、マドリード、ポルトで実際に泊まった民泊アパートの感想や民泊のキッチンで手軽に挑戦できる現地の料理など
ホテル宿泊をお勧めするケース
- 滞在期間が短い
- 予約や手続きに手間と時間をかけたくない
- 家事からトコトン解放されたい
- 安心と安全重視
2〜3日の短期滞在、観光をガンガンして、ホテルは寝るだけというスタイルならホテルの方が便利です。スーツケースも預かってもらえるので、ギリギリまで観光を楽しめます。
ホテルなら、予約後、現地に到着、チェックインするだけ。オーナーと英語でのやり取りが必要な民泊と比べると楽です。
家事から解放されたい場合もホテル滞在でしょう。ホテルの朝食ビュッフェ、あとは全て外食、観光から戻れば部屋は綺麗になっていて、新しいタオルが用意してあるのは嬉しいですよね。
フロントに常にスタッフがいるというのはホテルの大きな安心感。宿泊業のプロなので大抵のトラブルはフロントで解消すると思います。
ホテル宿泊のデメリットは
- 部屋の狭さ
- 料金の高さ
家族全員が一部屋にいると圧迫感が出てくると思います。圧迫感を感じない程度の広さの部屋を探すと料金もかなり上がると思います。小さなお子さんが一緒だと、お昼寝したり、部屋でオムツ替えをしたり、不便さを感じることも。ただ、短期であれば、大丈夫だと思います。予算に余裕があれば、内部が分かれている広めの部屋を予約するのもいいと思います。
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民泊アパートメントをお勧めするケース
- 滞在期間が長い
- 外食が難しい年齢のお子さんがいる
- 現地の暮らしを体験してみたい
一つの街に1週間程度、滞在される場合、荷物も多め。ホテルの収納スペースだとぎっちりになってしまうかも。アパートメントタイプだと場所が広く、収納も多いです。部屋が複数あるので、家族が一部屋に集まらず、ゆったり過ごせます。
ヨーロッパは夕食の時間が遅い国も多く、小さなお子さんと一緒にレストランで夕食を取るのが難しいことも。アパートメントなら、多くの物件にダイニング・キッチンがついているので、お子さんのペースで食事が可能。テイクアウトのお惣菜でもちゃんとした食器に温めて盛りつければ、味気なさもなくなります。
市場やスーパーマーケットで売っている食材、お土産に持って帰れないソーセージやハム、生鮮食品は現地で色々試してみたいですよね。朝食やおやつの時間に近所のパン屋さんやケーキ屋さんで買った出来立てのパンやスイーツをリビングでお茶やコーヒーと一緒に楽しむ、現地の人たちと同じような生活を送れるのは民泊の大きなポイント。カフェの椅子ではじっとしてられない子供も広々したリビングでお気に入りのおもちゃと一緒なら、ご機嫌なおやつタイムを過ごせるかと思います。
民泊アパートメントのデメリットは
- 予約やオーナーとのやり取り
- ゴミ捨てや片付け
- トラブル発生時の対応
個人オーナーから物件を借りるため、予約からチェック・アウトまで、何かとやり取りが必要、ある程度の英語力も必須です。現地到着後、ネット環境がないと、住所を探したり、オーナーと連絡が取りづらくなるので、Wi-FiやWhatsAppのインストールなど、事前の用意を忘れないように。
チェック・アウト前にゴミ捨てや食器洗い、片付けを基本的に自分達でやらなくてはいけないのが民泊。食洗機や洗濯機がついている物件もありますが、使いたい場合はオーナーに操作方法を確認しておいた方がいいです。
トラブルが発生した時、物件に関することなら、オーナーに連絡を入れますが、オーナーがすぐ来れないこともあります。親切なオーナーさんは「何でも聞いて」と言ってくれますが、ホテルのフロント並みの対応を要求することはできません。
ブダペスト、ウィーン、ローマ、ボローニャ、マドリード、ポルトで実際に泊まった民泊アパートの感想や民泊のキッチンで手軽に挑戦できる現地の料理など
民泊アパートメントの物件を選ぶ時のポイント
ヨーロッパで民泊アパートメントを利用してみたい、でも、どうやって選んだらいいか、よく分からないという方に今までの経験から、個人的な見解ですが、いくつかのポイントをまとめてみました。
ヨーロッパの民泊アパートメント物件選びのチェック・ポイント
- 場所と近くのお店
- 家具をチェック
- 利用者のコメントをチェック
場所は大都市だったら、メインの観光スポットに徒歩でアクセス可能、あるいは電車やトラムを使っても乗り換えなしで15分以内に着く場所。また、近くにスーパーマーケット、カフェやレストランがあるエリアであること。
少し安いからと中心部からトラムで20分程度の場所にある物件を借りたことがあるのですが、トラムが来ないと部屋に帰れないというのはネックでした。子連れだと観光の途中で子供が疲れたり、ぐずった時、すぐに部屋に戻れるというのは大きなポイント。
お店ですが、スーパーマーケットだけでなく、「カフェやレストランもある」というのがとても大切です。ヨーロッパは日曜日はスーパーが閉まっている国がほとんど。親切なオーナーさんだと、到着日が日曜だとミネラルウォーターや子供用のジュースなどを用意してくれていることもありますが、そんなオーナーさんばかりではありません。
そんな時、近所にカフェやレストランがないと、かなり大変。ちょっとオシャレな感じのカフェやケーキ屋さん、BIOの表示のあるスーパーマーケットやパン屋さんが集まっているエリアは治安が良い場所が多いように思います。
家具ですが、IKEAのものを使っている物件が多いと思います。IKEAよりも安そうに見える家具が多い物件やインテリアに統一感がない物件は個人的にお勧めしません。ある程度、物件に投資していることが感じられる方が、良い印象のオーナーさんが多かったからです。
お子さんが小さい場合はガラスやメタルを使った家具が少なく、アンティーク家具やオブジェなどの装飾が少ない物件がいいかもしれません。小さい子が一緒の場合、バルコニーやテラス、窓の高さなども物件の写真でよくチェックしてください。
利用者のコメントはネガティブな評価が出ているか、また何が問題だったのか、どのようにオーナーが点に回答しているか、チェック。
利用者のコメントはポジティブなものが大半だと思います。私たちも基本的に大きな問題がない以上、ポジティブなことしか書きません。民泊サイトは利用者もオーナーから評価を受けます。今後も民泊を利用するならば、クレーマーという評価をオーナーから受けるのは避けたい。なので、ネガティブなことが書いてあるというのは余程のことがあったのだと思います。オーナーの回答を見てもスッキリしない場合はその物件は避けた方がいいと思います。
ブダペスト、ウィーン、ローマ、マドリード、ポルトで実際に泊まった民泊アパートの感想や民泊のキッチンで手軽に挑戦できる現地の料理など
まとめ
ヨーロッパでの子連れ旅行、今までホテルも民泊アパートメントも両方とも経験してきました。自分達の経験からのまとめなので、違った意見もあるかもしれません。でも、これからヨーロッパ家族旅行の宿泊先を探している方の参考になれば嬉しいです。
1週間程度の旅行が多い私たち家族には民泊アパートメントの方が断然、便利です。料金も安く、広々したアパートが使える民泊、個人的にはお勧めです。
でも、民泊利用は何かと面倒なことがあるのも事実。せっかくの海外旅行、日程も短く、出来るだけ観光をしたい場合はプロのサービスで安心して滞在できるホテルの方が便利だと思います。